目には目を。

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「…別に、馬鹿にしたつもりはなかったけどよ」 不機嫌なレイを前にし、シンの勢いが薄れていく。 確かに、理由も聞かず怒り、下位層が集まるEクラスを見下したような言い方をしたのは自分でも後悔の念にかられる。 レイが言っていることは尤もだと思ったシンは理由を聞いた。 産まれながらにして恐れられてきた目の前にいるマイペースな幼馴染みが、なにをどうしたら、魔力も知力も一般人と同等とみられるEクラスに入ってしまったのか。 「僕がEだったのは予想外だったけど、仕方なかったし、ふかこーりょくだった、と思う」 曖昧な返事をするレイを見て、シンは、何となくだが予想が付き、今にも発狂しそうになってしまったが、一度大きく息を吐き、落ち着きを取り戻した。そして、尋ねる。 「………おい、レイ。お前まさかサボったんじゃねぇよな?」 この男ならやりかねないことだ、と睨み付ける しかし、当人は全くシンの気持には気付かずに、嬉しそうに笑った 「シン!すごいじゃないか!勘が鋭くなったね!!」
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