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昨日の出来事が色濃く脳裏に焼き付いているせいで、久しぶりに感じる扉の前に立つ。
まぁ、実際は土曜日と日曜日を挟んだだけなんだけど。
そんな体感時間では久々な扉を開けようとした瞬間に、なんの前触れもなく扉が開いた。
「いよーう飛鳥。久しぶりじゃのう!」
「久しぶりじゃのうじゃねぇよ。たったの二日だろうが」
扉を開けようと伸ばしかけていた俺の手を掴もうとしてきた、薄い茶色をした髪にシンプルなメガネを掛けた男の手を、スルリとかわして自分の席に向かう。
「なんじゃなんじゃ素っ気ないのう。儂とお前の仲じゃろうが」
「休み明けそうそうなんだよ平塚(ひらつか)」
「随分と他人行儀じゃのう飛鳥。いつものように出雲(いずも)と、名前で呼ばんか」
鞄を机に置いて椅子に座る。
ちなみに俺の席は後ろから二番目の窓際にある。どうせなら一番後ろがよかったが、案外二番目の方が一番後ろより教師に見られてなかったりするからお気に入りだ。
「はいはい、それでなにか用か?出雲」
中身の入ってない鞄を隅に押しやりつつ、ちゃっかり俺の前の席を確保していた出雲に聞く。
「まぁ、用という用はないんじゃがの。たまには放課後遊びにでも行かぬか?」
そういえば最近いろいろと用事があったから遊びにいってなかったな。
これからは当分仕事も無いし出雲と遊びに行くのもいいかもな。
「そうだな。じゃあ今日の放課後どっか遊びに行くか」
「おっ、いいのう!それでこそ飛鳥じゃ!」
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