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大地はひび割れ風が吹き荒び、稲妻が轟き水は唸りをあげ炎が荒れ狂う。
そして最後にはそれら全てが無に還った。
冗談キツイぜ。まだまだ余力があるにしろ俺と互角かよ……。
あちらさんも全力じゃねぇみたいだしよ。
「アナタいったい何者?」
「そりゃこっちのセリフだっつーの」
しっかしこのままだとらちがあかねぇぞ。
正直こんなやつとやりあいたくねぇし、それに……お互い本気にでもなったりしたら、この学園どころかここら辺一帯が更地になっちまう。
しばらくの間睨みあっていた二人だが、不意に少女が口を開いた。
「……私は第三魔法学園所属の魔法使い、時雨夕(しぐれ ゆう)アナタは?」
うーん、まぁ名前ぐらいなら良いか?
それにあちらさんだけ名乗らせるって訳にもなぁ……。
「ったく。わかったよ。俺は第三超能力学園所属の超能力者、水無月飛鳥(みなづき あすか)だ」
「…………そう」
そしてまた二人の間には沈黙が訪れる。
あぁ、この空気はどうすりゃいいんだよ!
そりゃそうだろ。別に友達になりに来た訳でもねぇのに自己紹介してもこうなるよ!
つーか俺もそろそろ逃げねぇとマズイな……。
流石にあんだけ派手にやりゃあ警備が来ちまうだろうし。
まさかその為の時間稼ぎか?
……いや、そりゃねぇか。コイツの実力から考えて警備の方が強いって事は無いだろ。
え?じゃあコイツなんで無言なの?
まさか名前聞いた後の事考えて無かったのか?
……まぁいいか。とりあえずさっさと逃げるとしますかね。
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