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「これが最後、ということでしょうか…?」
問題のない○×。
○と×の書かれた札はどこまでも高い天井から吊り下がっていた。
「モブ夫さん、どちらを選べばいいか分かりますか?」
隣に立つモブ夫さんに助けを求める。
「そうですねぇ…。ここはもう勘、で答えるしかないんじゃないですかぁ?」
「勘……。」
分かってはいたが、実際に口にされると不安が押し寄せてくる。
間違えたらどうなるのだろうか。
先程の光景が蘇る。(佳倉さんに書いていただいた第1問の時の事です!)
思い出しただけでゾクリとする。
「どちらを選びますか…?」
「鈴李さんのお好きな方を選んでください。俺っちはそれに従いますよぉ。」
「え…っ」
責任重大な選択を任されてしまった。
どうしよう…。
○と×……。どちらが正解なんだろう…。
悩めば悩むほど選べなくなる。
「そんなに悩まなくても直感で選べばいいと思いますよぉ。」
直感…。
本当に直感でいいのだろうか…?
命に関わるかもしれないのに…。
でも、確かに悩んでたってしょうがないかもしれない。
「……じ、じゃあ、○で……。」
「ちなみに○の理由は?」
「何となく、です…。」
「それでいいと思いますよぉ。」
モブ夫さんは笑いながら○の札に近付く。
「それじゃ、引きますねぇ。」
そう言いながら札を引くと、二つの札はすごい早さで天井へと消えていく。
その後に目の前の何もなかった壁が開き、道が現れる。
「また道が……。」
「進みましょう。」
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