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「どうしよう!?もう帰れないの!?りっくんに会えないの!?」
「落ち着いてください!この扉が開けられれば出られるかもしれません。何かヒントがないか探してみましょう?」
「うん……」
手分けして辺りをくまなく探す。
壁、床、天井、蝋燭、最後に扉。
「鈴歌さん、この扉を見てください。何か書いてあります。」
茉夸ちゃんが指差す方を見ると、確かに文字が書かれていた。
『タラバガニはカニの仲間』
その一文の下にもう一文。
『○なら右の蝋燭の火を消し、×なら左の火を消せ』
「問題……でしょうか?」
「蝋燭って扉の両側にあるやつかな?」
「そうだと思います」
「じゃあ、右のを消そうよ!名前にカニって付いてるし、カニの仲間だよ!」
さっそく火を消そうと右の蝋燭に近付く私の手を茉夸ちゃんは掴み、引き留める。
「待ってください!これはたぶん引っ掛け問題です。確かタラバガニはヤドカリ……の仲間だったような気がします」
「そうなの?」
「たぶん……」
「分かった!すずかは茉夸ちゃんを信じるよ!一緒に左の火を消そう?」
「せーの……っ」
掛け声に合わせて二人で火を吹き消した。
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