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昔のマンションより2駅うちの会社に近い、小さな住宅街。
安い空き地を買い取り、有り余っていた貯金で家を買った。
趣味もないし、食事もそこまでだから職業上金だけは溜まっていたからな。
家の扉を開けて、靴を脱ぐ。
「おかえりなさいっ!」
笑顔で迎えてくれる恋人。
「ただいまっ!」
幸せって、たぶんこういう事を言うんだろう。
誰かが迎えてくれて。
帰ったら味噌と塩の香りがして。
電気が家についていて。
「今日は魚と味噌汁ですよー!福井さんから沢山野菜もらったんで、野菜炒めも作りました!」
バイトのない日は奨君がご飯担当。
仕事のない日は俺が担当で、洗濯や掃除は日替わりにしようと同居する時に決めた。
「へぇ、美味しそうだね。これは吉乃さんの?」
「あ、はい!作り過ぎたって言ってて…」
吉乃さんとは、すぐ隣に住む人だ。
庭で家庭菜園をしていて、俺達が恋人なのを見破った人達だ。
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