第7章.未来永劫

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昔のマンションより2駅うちの会社に近い、小さな住宅街。 安い空き地を買い取り、有り余っていた貯金で家を買った。 趣味もないし、食事もそこまでだから職業上金だけは溜まっていたからな。 家の扉を開けて、靴を脱ぐ。 「おかえりなさいっ!」 笑顔で迎えてくれる恋人。 「ただいまっ!」 幸せって、たぶんこういう事を言うんだろう。 誰かが迎えてくれて。 帰ったら味噌と塩の香りがして。 電気が家についていて。 「今日は魚と味噌汁ですよー!福井さんから沢山野菜もらったんで、野菜炒めも作りました!」 バイトのない日は奨君がご飯担当。 仕事のない日は俺が担当で、洗濯や掃除は日替わりにしようと同居する時に決めた。 「へぇ、美味しそうだね。これは吉乃さんの?」 「あ、はい!作り過ぎたって言ってて…」 吉乃さんとは、すぐ隣に住む人だ。 庭で家庭菜園をしていて、俺達が恋人なのを見破った人達だ。
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