1

1/31
前へ
/37ページ
次へ

1

俺,弥武 博也が,何故こんな辺境な所に来ることになったかと言うと,それは親友の藤谷 真のせいだ。 藤谷が街でナンパした女の子と仲良くなり,ある日その子から,人に知られてない静かな避暑地があるので,友達を連れておいでよと誘われたのだ。 仲良く…とは,言っても何回か連絡を取り合っただけであって,会ったのはナンパしたその日だけという…なんとも怪しい話ではあったのだが,ナンパに初めて成功した喜びのせいか,藤谷は何も疑う事無く,俺に連絡してきたのだ。 こうなると,昔から周りの言うことなんて聞きやしない。 そんな俺も藤谷とは長い付き合いだったので,どこか感覚が麻痺していたんだと思う。 変な感じがしたら逃げればいいと思い,藤谷の誘いに乗ってしまった。 藤谷が,お前も彼女くらい連れて来いというので,残念ながら彼女なんて居ない俺は幼なじみの倉俣 夏羽にも声を掛けた。 暇だったのか夏羽も,ふたつ返事に了承した。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加