【0,プロローグ―――二流作家のルートはここから始まる】

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夢。 老若男女問わず、誰しもが抱く人間独特の概念。 別称、目標とも言える。 高みへと目指すものはこれによって自身を鼓舞し、意欲と変換させ、結果、人体の活動エネルギーとするための必要不可欠のスパイスとして存在する。 だが、夢が叶うか否かはは結論的に才能の有無に限られている。 そう、一般に言う会社での上司・部下とは別枠の立ち位置、いわゆる『一流・二流』の関係こそが正に才能の差の表れが招いた結果なのである。 この関係性は主に個人営業の職種がぶち当たる壁だ。 文理問わず一流・二流の言い回し以外にも一級・二級という差別用語まで現れる始末である。 なぜ俺がこの言葉に対して嫌悪を抱くか、それは俺が『二流というレッテルを貼られている』からである。 二流は悪ではない。 劣等生ではない。 一流のための踏み台ではない。 才能など決して認めない。 俺はそんな二流作家である。
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