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「しかしだな、俺はわざわざ新幹線通いでココ(渋谷)まで来ている。家は新潟だからな。そうしょっちゅう渋谷に行ける訳じゃないぞ。」
自分の作品を曲げないためにも、時にはバックレる覚悟も必要だ。
してやったりといった表情で俺が言うと、対する中御門はきょとんとした様子で首を傾げる。
まるで、何が問題かとでも言いたげな目で俺を見る。
次いで、中御門はクスリと微笑を浮かべながらある物をスカートのポケットから取り出す。
「愚問ね。私が何故制服姿なのか……、言わなくても解るはずよ。
あなたがその作品に入学から半年を費やしている間、私はあなたの学校への転入を済ませているわ。」
なんて無茶苦茶なのだろう。中御門は生徒手帳を俺に見せつけて言った。
「つまり、わざわざここへ出向かなくても指導は可能ということよ。どう?」
ニコリと微笑む中御門だが、その発言には有無を言わせぬ圧力があった。
中御門の論を完全に論破できるアテがない……。
こんなんじゃ、白黒のクマにうぷぷって笑われちまうぜっ!
PP切れの奥の手「わるあがき」でも実践しようかと思ったが、あんな器用に相討ちなどできるわけがない。
むしろ、わるあがきなんてしたら無駄に墓穴掘って更には抉られるに決まっている。
何ソレ、痛み分けでもフィフティーフィフティーでもWIN-WINでもねぇ。
最後は違うか。
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