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「最後にこんなに綺麗な桜が見れて良かった。
今までこんな僕を癒してくれてありがとう。」
まん丸より少し歪な月に照らされた
満開を少し過ぎ散り始めた桜…
その完全ではない姿が僕には何故か愛おしく感じられた。
「って何僕、一人言とか言ってるだろう。」
この4年間バイトの日は必ず来ていた場所。
バイトを辞めれば中々来れなくなるし、
今日が見納めになるのかと少し、感傷的になっているのかも。
僕は気恥ずかしさに顔を熱くさせてキョロキョロ辺りを見回した。
「今まで誰にも会った事ないし、大丈夫だよね。人に聞かれたら恥ずかし過ぎるよ。」
誰も居ないと安心し、最後にこの公園を目に焼き付けるように、
ゆっくり歩き出した。
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