第3章 禁断の復讐

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僕を見下し吐き捨てる。 「サチ兄さんのための復讐だと言ったでしょう?」 あんたをボロボロにしてやる――。 それだけ告げると すりぬけてゆく。 サチと同じ香りを振り撒き だけど似ても似つかない 猛毒の瞳をして――。 出口で待つ 立ってるだけで人目を引く男に 寄り添うように抱きつくと。 由良は一度だけ こちらを振り向いて微笑んだ。 10年の時を経て 禁断の小箱が再び蓋を開けた瞬間だった。
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