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僕を見下し吐き捨てる。
「サチ兄さんのための復讐だと言ったでしょう?」
あんたをボロボロにしてやる――。
それだけ告げると
すりぬけてゆく。
サチと同じ香りを振り撒き
だけど似ても似つかない
猛毒の瞳をして――。
出口で待つ
立ってるだけで人目を引く男に
寄り添うように抱きつくと。
由良は一度だけ
こちらを振り向いて微笑んだ。
10年の時を経て
禁断の小箱が再び蓋を開けた瞬間だった。
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