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家を出るのは暗い時間。
職場につく頃ようやく空は白ばんでくる。
制服に着替え、
俺の担当エリアの荷物を仕分ける。
配達コースを想定をし、
トラックに荷物を積み上げる。
トラックに乗り込み
敷地から出る直前の一時停止。
すぐそこの歩道に鳩の羽が
散乱しているのが視界に入った。
猫にでもやられたのか。
鳩が好きってわけではないが
こういうものは見たくない。
こういう日は朝一番の配達から
空振りに終わることがあるからだ。
午前中指定にしているんだから
送り主もこの日に届くってことを
相手に教えてやってくれていれば
俺らドライバーの時間の
ロスはなくて済むのに。
加えて今付き合っている彼女。
結婚する気がないのなら
別れたいと言い出した。
結婚だけなら俺もしたいよ。
だけど俺は子供ってのがキライなんだ。
早く仕事は終わらせたいが、
早く帰って結婚の話をするのも億劫だ。
ため息混じりに
仰ぎ見た空はまだ薄暗い。
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