第2章 恋の予感

35/36
前へ
/36ページ
次へ
多くの美容部員達はメイクコーナー前での接客に勤しみ、 彼女が私に布巾を投げつけたことに気付いた人はいないようだった。 「こういうこともちゃんと出来ないで、浮かれてるんじゃないわよ」 と彼女はに鼻息荒くそう言って踵を返し、私に背を向けた。 こういうことも出来ないで、って、私はちゃんとミラーは磨いて、その後接客に入ったから、確認できなくて当たり前だよね? ―――それ私、悪いの? 呆然としながら、しゃがみこんで床に落ちた布巾を手に取った。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

505人が本棚に入れています
本棚に追加