第4章 男なんてもういいと思ったり

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デパートのロッカーで私服に着替えて、コートを羽織り外に出るとヒヤリと冷たい風が吹いていて、ヒャッと身を縮めた。 サトル君は本当に来てるのかな? 待ち合わせ場所であるブロンズ像に向かう。 ちょっと出掛けるのが面倒臭いから、来てないといいな。 そんな期待は見事に裏切られて、約束をしたサトル君は当たり前のようにブロンズ像の前で笑みを浮かべていた。 「お疲れ、有紗ちゃん」 「ごめんね、寒い中」 「時間ギリギリまで地下にいたから大丈夫。 さっ、行こうか」 そう言ってサトル君は当たり前のように手を握って来た。
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