第4章 男なんてもういいと思ったり

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そんな中、歩道に面したショーウィンドウに数十人の作業員がディスプレーをしているようだった。 「ちょっと灯りをつけてみろ」 責任者らしいコートを着た男性がそう声を上げた瞬間、 真っ暗なデパートのたった一つのショーウィンドゥにポッと照明が灯された。 その瞬間、周囲にワァという声が響く。 てっきり冬物コートを来たマネキンが並ぶよく見かけるようなショーウィンドウかと思えば、そこには北欧世界を感じさせるクリスマスの街景色が表現されていた。 「見て、素敵ね。ムーミンの世界みたい」 通り過ぎる人達がそう声を上げていた。
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