第4章 男なんてもういいと思ったり

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驚いて顔を上げると社食で見かけたイイ男であり、前に売り場に来た―――名前はええと、 「高宮さん」 そう、高宮周平さんだ。 「飲み会の帰り?」 柔らかく微笑みながらこちらを見て、膝を擦りむいた自分の姿に目を見開いた。 「どうしたんだ?」 「ちょっと転んじゃって。 呑みすぎ注意ですね」 そう言って力なく笑みを返すと、彼はポケットからハンカチを取り出してスッと頬に当てた。
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