第4章 男なんてもういいと思ったり

30/32
前へ
/32ページ
次へ
その沈黙に我に返って、 「す、すみません。 これは私個人の感覚というか好みで。 このふわりとした感じも『北欧』って感じで素敵だと思ってます」 と慌てて声を上げると、 「いや。 ありがとう、君の意見を聞けて良かった。やっぱり天性のセンスなんだよな、こういうのは」 シミジミそう言った彼に、胸が熱くなった。 恥ずかしさに目を伏せて、そっと彼の大きな手を見て、バクンと鼓動が跳ねた。 左手の薬指に―――指輪があった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

314人が本棚に入れています
本棚に追加