第4章 男なんてもういいと思ったり

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あれ、前に接客した時に、こんなのあったかな? ちゃんと見てなかっただけ? 「高宮さんって……結婚なさってたんですね?」 思わずそう告げると、 彼は驚いたように目を開き、自分の視線が左手の薬指に向けられていることに気付いた様子で、 「―――あ、まぁ」 と言い難そうにそう告げた。 ―――はぁ、 と重い溜息をつきたい気分だった。 結婚してるなら、そんな言い難そうに伝えないで『そうなんだ』ってサラッと言えばいいのに。
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