第4章 男なんてもういいと思ったり

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――― ―――――― ―――――――― ランチはほとんど食べた気がしなくて、 というか食べることが出来なくて、午後からの仕事に気が重かったけれど、 意外と仕事中は接客に集中することで気を紛らすことが出来た。 少しボーッとしたら、 『どうせ私は魅力がない子なんだ』 とか、 『男はみんな春香みたいなタイプが好きなんだ』 とか果てしなく悲観的な思考が浮かんできそうで、それを振り払うかのように忙しく仕事をしていた。 「小泉、もう7時だよ。上がったら?」 主任の声で在庫の確認をしていた私は、我に返って顔を上げた。
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