第7章 若気のイタリ。

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――― ―――――― ――――――――― 「陸くんね、浮気してるみたいなの」 春香にメールをすると、ほぼ即効で返事が来て、その日の仕事帰りに久し振りに私と春香、成美の3人で食事をすることになった。 馴染みの居酒屋で乾杯するなり、涙目でそう告げた春香に、 「ええ?」 と私と成美は声を揃えた。 「どうしてそう思うの? 二人の交際は順調だったんじゃないの?」 少し身を乗り出してそう尋ねると、 「最初は、すごく楽しかったの。 陸くんもすごく優しくて。 それがだんだん態度がよそよそしくなって来て、だんだん避けるようになって来てね。 そしてメールの返事も来なくなって。 販売やってるから、休みが合わないじゃない? 一緒に休日を楽しめないのがつまらないみたいで……。 他の女の子が良くなったみたい」 そう言ってウッと泣き出した春香。 その背中を成美がヨシヨシと撫でた。
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