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「そして『陸くん』の件は、正直彼の気持ちが分かるな」
シミジミとそう漏らした高宮さんに、
「どうしてですか?」
と驚いて身を乗り出すと、彼は自嘲気味な笑みを浮かべた。
「俺も昔、付き合ってた女の子と別れた後ストーキングされて、ひどく怖かったことがあるんだ。
……そういうのって神経が参るんだよ。自分のことも責めるし。
そんな中、ちょっといいなと思ってた女の子が近付いてくれて、ホテルに行けたらそれは嬉しいし、それが態度にも出ると思う。
いきなり帰るって言われたら、若い上に普段よりも気持ちに余裕がないから『おい、ちょっと待ってくれよ!』って感じになることもあると思うんだ」
ああ、たしかに、そんな感じではあった。
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