第8章 ステップアップ

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「だから、これからは流されて行動する前に、ちゃんと踏み止まって考えてみたらいいと思う。 このバイトのことにしてもそうだよ。 まだ入社一年目の、自分の会社の仕事をしっかりと吸収しなきゃいけない君が副業なんて、俺が君の上司なら『なに考えてるんだ!』って怒鳴ったと思う」 すべてが的を射ていて耳に痛いはずなのに、スッと胸に響いた。 「本当ですね。 どこかいじけて自棄になってました」 高宮さんは大人だ。 やっぱり既婚者は違うなぁ。 そう思って、そっと左手薬指に目を向けると、今日は指輪をしていなかった。
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