第10章 決断

20/33
前へ
/33ページ
次へ
誰も知らない新たな場所に向かうというのは、生まれ変わるのと似ているのかもしれない。 今まで自分を守って来てくれた、自分を取り囲むものは、時に重たすぎる鎧となって、枷となって、自由に動くことができなくなってしまうこともある。 そんな鎧も枷も、すべて外してしまうというのは、とても怖いことでもあるけど、 抑え込まれていた羽を伸ばして、飛び立つことが出来るんだ。 そうしたら今までの自分が見たこともない景色を眺めることが出来る。 高宮さんの存在が未練となっていたけれど、 また、高宮さんの存在が、私の背中を押してくれた。 だから、つらいけど、 私は彼に会えて良かったと、心から思うんだ。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

467人が本棚に入れています
本棚に追加