第10章 決断

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二人と別れた後、なんとなく散歩するように今越デパートに足を向けた。 ほろ酔いで歩きながら、かつてのことが脳裏を過ぎる。 失恋で苦しい気持ちの中、サトル君にホテルに連れ込まれそうになって走って逃げて思い切り転倒して。 身体中がヒリヒリと痛む中、閉店後の真っ暗な今越デパートのショーウィンドウの一角に仄かに灯りが照らされていた。 北欧のクリスマスをイメージした心も温まりそうなディスプレーに、真剣な表情を見せていた高宮さん。 思い出しては、グッと胸が苦しく募る。
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