第11章 あの頃の気持ち

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いつもの癖で左手薬指に目を向けてしまう。 また何もつけていない薬指に、 心なしかホッとする自分が生々しくて嫌だ。 「帰って来たのかい?」 歩み寄って優しい瞳で見下ろす。 「はい」 「もうここ終わるんだけど、話できるかな?」 そう尋ねた彼に、コクリと頷いた。 彼がそう言ってくれなければ、私が言おうと思っていた。 お話したいですって。
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