琴海のヒュドラ

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「今回も大変な思いをさせてごめんなさい」 部屋に入ってくるなり頭を下げるヨミシ 魔族の進行を食い止める為とはいえ自分の知っている人間すら死地に送り込む、そんな行為を強いられる彼女にとって一旅人である薫に対し、礼を行う事は彼女自身の優しさの現れだろう 「あぁ大丈夫だ」 いつもと変わらぬ声や態度がヨミシの心に気にしなくていいと態度で示しているかのようだ 「ヒュドラは強敵だったでしょう」 「戦闘はしていないんだ、ヒュドラを元いた琴海の森に返した..それだけだよ」 「これで無事にニブルヘイムへ迎えますね」 ヨミシの表情は嬉しさと戸惑いが見られる ..この会談の内容が国全土を巻き込むだろう、その選択を迫られる..普通に振る舞ってはいるが重圧は半端じゃないはずだ 「薫..私に出来るでしょうか」 聞き取れるかわからないぐらいの弱々しい声 「どんな苦境にたたされても必ずどこかに希望はある..祖父の言葉だがヨミシの今の行動が希望の光になる、そう信じて先に進むしかない」 ポンッと肩に手をおくと優しい声で 「頑張ろう」と言う薫がヨミシの隣にいた
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