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始まりは秋
始まりは春っていうのが世間では常識だ。それは間違いなく真実で道理である。例えば入学式がまさにそれ、クラス変更で新しい友達ができるとか春は皆が初々しいようにも感じる。
しかし、今の季節は秋で初々しさもどこへやら…キャピキャピしてたのが嘘みたいに落ち着いていて、正常である。
高校二年の秋という微妙な季節はいろいろなことを思わせる。夏までで大きなイベントは片付いてしまって、だからと言って遊び倒すのかと言われれば早いやつならもう受験勉強に着手してるだろう。
俺は方向性を見失っているのだろう。ふと視線は二階校舎から見える紅葉に向けていた。
俺もあのように一瞬の光を残して儚く散っていく高校生活だろうと黄昏た。
「筒井、授業中に余所見して何を見ているんだ」
にっこりと笑う英語教師は右手のチョークをわなわなと震わせ問うてきた
「俺の人生です…お先真っ暗でした」
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