始まりは秋

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横田明日香、身長約155㎝体型標準、黒髪セミロング、胸それなり、優しい、顔かわいい ガンっ! 危なかった。顔面を机にぶつけなかったら明日香フィルターに完全に支配されるところだった。何だ、これは。今まではモブA止まりだったのがここまで化けるのか、顔が熱い。恋の芽生えというのは劇薬だなと認識せざるを得ない。 「筒井くん、早く抑えて」 横田さんが、ティッシュを数枚出して小声で渡してくる。は?何これ?鼻からツーと何かが垂れてくるのを感じた。あー…うん、鼻血だね。咄嗟に鼻を抑える 「大丈夫?」 心配した風にそう言われて何かがはじけとんだ。そうだね、血管だね 「NO problem. How about you ?」 「えっ…大丈夫です」 ヤバイ、落ち着け。横田さん引いてる。そうだ一旦間を取ろう 「先生、一服してきてもいいですか」 鼻栓を長く作ってタバコをふかすふりをする。自身の目からも見える赤いそれはまるで茶色のフィルターのように鼻栓を侵食していた。 やったあとにいつも思う。笑いを取りに行こうとするクセが自分でも嫌になってくる。シリアスな空気を演出できない自分は俳優には向いてないだろうなって…とりあえずタバコをふかしておこう 「あー…保健委員、連れてってやれ」 哀れんだのか、ドライなのかは知らないがサッと流して授業に戻ろうとするあんたは最高の教師だよ。どっかのハゲの英語教師とはわけが違うわ てか、保健委員って誰よ? 「じゃあ行こっか筒井くん」 あぁ、なんだ…女神か
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