第1章

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すると以外にも男は天井を見上げて笑った。 「ははは。いつまでも、そうやってほざいているがいい。馬鹿どもが。」 身の毛もよだつ声だった。 俺は思わずナイフを落としそうになった。 フードの外れたその頭部は一本の髪の毛もなく、痩せこけた頬とギョロリと見開かれた目はまさに“骸骨”のようだったからだ。 マラム神殿の司祭とは皆このような姿をしているのだろうか…。 俺はナイフをベルトに戻して剣に持ち替えた。 なるべく近づくことなくとどめを刺したかった。 俺がやつの喉に剣を突き立てたとき、男は再び口を開いた。 「よく聞け、小僧。」 俺の体はビクッと震えた。 「我が主、“夜の神クゲラファン”は三日前、我々に向かって仰せになった。 次の夏が来る前に、太陽帝(アピマ・タハリ)を大いなる厄災が襲うと。」 「何が夜の神だ。この国じゃ、誰もそんなもん信じやしないぜ。」 そうは言ってみたものの、自信を保つための一手段にすぎないのだと気づいていた。 二年前、疫病の流行を予言したのもマラム神殿の司祭たちだった。 はなから笑い飛ばすわけにもいかない。
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