第2章

2/11
前へ
/50ページ
次へ
その日、俺の日常は崩れ去った。 本当はもっと前からなのかもしれないし、もしかしたらハッキリ分かったのはもっと後かもしれない。 いずれにせよ、もう幸せな日々は戻ってこない。 砂でつくらいれた城のように、もろく、たやすく。 あたたかな春の日差しのもと、花の香りと小鳥の歌に包まれ過保護に育てられたこの国の“日常”が死に絶えるのは、難しいことではなかった。 まぁ俺自身、そんなことも言ってられないが……。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加