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「おーい、トゥリンガ。お前、いくら非番だからって起きるの遅いぞ。今日は兵舎の掃除するんだろ?」
親友でもあり同僚でもあるインシャイに呼ばれ、俺は飛び起きた。
慌てて髪を整え、軍服に着替える。
トゥリンガ・カダル。それが俺の名だ。
まだ17になったばかりだが、ヌガラ騎士団の特別部隊『斜陽の剣』に属している。
見渡す限り屈強な男だらけのこの部隊は様々な特権を持っている。
黒と赤を基調とした上等な布地と金の装飾が目を引くこの軍服その一つだった。
「悪りぃ、待たせたな。」
俺が苦笑を浮かべるとインシャイは笑った。
「本当はあと1ジャム(約40分)は寝ていられるんだけどな。早めに行った方がいいだろ?」
インシャイの言うとおりだ。
兵舎の食堂はいつも人であふれている。そして飯も美味くない。
俺たちはよく1ジャム早く起きては街の朝市へ出かけ、そこで朝食をとっていた。
非番の日もそれが変わることはない。
俺たちは兵舎を出た。
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