プロローグ

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しかし今から70年前、予期せぬ出来事が起きた。 太陽帝(アピマ・タハリ)が若くして亡くなったのだ。 彼には妃(きさき)すらおらず、また代わりに政を行うことができる兄弟もいない。 あまりの悲劇に太陽帝(アピマ・タハリ)の母は言った。 「水月帝(ブラヌ・アイル)がこの国を我が物とするために太陽帝(アピマ・タハリ)を殺したのだ」と。 それ以来水月帝(ブラヌ・アイル)は都を追放され、人里離れた森の奥に姿を消した。 その後太陽帝(アピマ・タハリ)の母は高齢ながら出産を試み、自分の命と引き換えにして息子を、新たな太陽帝(アピマ・タハリ)を産んだ。 それが太陽王朝の始まりだった。 全ての命の源は太陽の光である。 太陽がなければ草木は育たぬ。 太陽こそ偉大なる神。 そして太陽帝(アピマ・タハリ)はその化身。 汝、太陽に祈りを捧げよ。 ヌガラを照らす太陽の下に、我らは永遠の安泰を得るだろう。
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