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魔界の門が、完全に開くと勇者は後ろを振り返り声をかけた。
『ユミ…これが、僕達の最後の戦いだ』
ユミ
『えぇ…貴方、お供します。』
勇者
『僕達は、この場所に来るまでに沢山の人々と出逢い…』
ユミ
『沢山の絆を育み…』
勇者
『皆に残された最後の希望として僕達は、此処にいる』
勇者は、悲しみを帯びた瞳を隠すように俯き
(優しかった祖母に逞しく明るい父さん…心配性の母さん…僕の家族は、もうこの世界に居ない…)
一粒の水滴が、地面に弾けて消える
勇者
(僕は、これまで僕を育て支えてくれた皆の事を思い出していた…勇気と力を得るために)
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