勇者に迫る暗雲

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炎の魔神イフリート… 【既に数百の骸を…塵に還した…召喚師ありすの魔力に反映された現世での我が身も徐々に薄れ…火の精霊界へと帰るだろう…だが⁉先に見える…禍々しい首無し騎士に一太刀を…我が主ありすの為に‼】 イフリートは、猛り狂い…デュラハンへと猛進する⁉ デュラハンは、骸骨の馬に跨がったまま…三メートル程もある長槍を前に突き出すと… 馬の嘶きと共に駆け出した。 暗黒に染まるオーラの黒と炎の精霊の具現化された赤が…激突する‼ あまりに激しい衝突が、2体を中心に衝撃波となって周囲を襲う⁉ 炎の魔神イフリートは、丸太の様な腕で、デュラハンの黒く染まる槍を掴む… 槍の先からは、黒いオーラが迸り…赤い炎を押し退けていく⁉徐々にイフリートの赤い体が、黒いオーラに蝕まれていった。 炎の魔神イフリート 【ぐぅおぉぉぉぉ…せめて一太刀を…】 イフリートは、手を長槍から離して…自ら槍にその体を貫かれながら…デュラハンに抱き付きその身に炎を纏わせた。 ゴォッ…激しく燃える2体… やがて蝋燭の最後の灯火の様に炎が、一際激しく燃えると…力尽きた様に霧散し…魔神イフリートは、精霊界に姿を消した。 炎の魔神イフリート 【我が力…現世では、ここまでか…無念なり…】 炎が、散り散りに消えた後には、無傷のままのデュラハンの姿があった。
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