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「おお!見えた見えた!」
俺は、ドラゴの背中から背筋を伸ばすように向こうを見る。
沢山の煙が街から上がってる。
魔物の侵入防止用の壁は、硬い石を中心に土で固めて硬化の魔法陣が刻んである。
壁の横を走りながらそれを見て、俺は中はどんな街なんだろと期待に胸を膨らませる。
漸く、子供の姿じゃなくなった俺は結構楽しみだ。
この街で出来れば人間用の武器を手に入れたいなと思ってるし。
手に入るかどうかは、運次第だな。俺の力に耐えられる武器ってのは難しいよなあ。
やっぱり、龍の力って尋常じゃ無いんだろうなあって思う。
俺達は、ゆっくりとドラゴを誘導すると門でカードを出して、中に入る。
勿論、お約束のようにドラゴは驚かれたし、欲しそうな表情の人達。
だが、俺達以外の指示なんかにはこいつは絶対に従わないぞ?
プライドの高い龍の一族だしなあ。家畜とは違うんだよ。
人間に媚びて楽な生活をするよりは苦しくても、自由な生活を望むのが、俺達の習性だしな。
勿論、門で人が触ろうとしたら威嚇してたよ。ドラゴ。
だから、余計に俺達は睨まれたけどな。
でも、ドラゴに触ろうとした奴が悪いからな?あいつの習性を理解してないんだろうな。きっと。
俺達は、そのまま街に入ってギルドまで一直線に向かって、裏にドラゴを預ける。
世話をする人が青ざめて慌てて居たが、俺達が世話は自分達でするから、置かせて貰うだけで良いと言ったら、安心してた。
それから、ドラゴの寝床の準備をして、食事は街に入る前にタップリと済ませたから水だけ置いて、俺達はギルドに寄って依頼や採集品を確認する。
幾つか所持してるものも有ったので、その依頼を確認して受付に行こうとして、一つの依頼が目に留まる。
俺は足を止めてその依頼を確認すると、掲示板から剥がした。
「ん?何か有ったのか?」
俺はその依頼を見つめて言った。
「これを受けようと思ってな」
俺の言葉に、横から覗き込むガド。中身を確認して眉を寄せるガド。
「これ・・・・・・・・。嫌な予感しかしねえんだが?何とかなるのか?」
俺は頷いて言う。
「こいつは、誰も受ける奴は居ないと思うぞ?」
俺は、受付にその依頼とカードを出した。
受付はカードを受理して依頼書を見て顔色を変えた。
「これを受けるんですか。本気で?大丈夫ですか?」
真剣な表情で俺に問い掛ける受付。
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