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俺は頷いて言った。
「問題ない。治療は得意分野だ」
俺はそう言って、ガドが持ってた別の依頼書とボックスから出した小さな液体の入った瓶を1本置いた。
ガドの持っていた依頼書にはこう書いてあった。
ーーーーー赤蟻に刺されて、高熱を出した後、熱が下がったのだが下半身に麻痺が残った。
銀貨五枚で治療薬を作って欲しいーーーーーー
「こいつは赤蟻の毒を無効化する。丸二日。朝昼晩と食後に1日三回。二日飲めば、毒は無効化されて排出される。個人差は有るが、一週間以内に歩けるようになる。
ちなみに一回分の量は、瓶につけてあるスプーン一杯だ」
俺の言葉に驚いた表情で、俺の顔を見る受付。
「あ・・・・・・貴方が作ったんですか?そんなに若いのに?効果は有るんでしょうか?」
俺は、頬を掻いて言った。
「此処へ来る途中のナコ村に問い合わせが出来るのなら問い合わせて見れば良い。
そこでも、同じ症状の患者に同じ薬を処方したから。もう、患者は歩けるようになってると思うよ」
俺の言葉に驚きの表情をする受付。
「わ、判りました。ナコ村に駐在員が居ますので、直ぐに確認を取ります」
そう言って目を閉じる受付。
念話を送ってるんだろうな。直ぐに確認は出来ると思う。
ちょうど、ここに来る途中の村で同じ症状の人から相談を受けていて、薬を渡して居たんだよな。
証明の為にそこで、三日位足留めされたのは、大変だったけど其の間に食事の確保をしていたから逆に良かったかな。
ガドも薬草の採集とかしていたしな。随分集まったから助かったよ。
そんな事を思い出していたら、受付が目を開けて驚いた表情で俺を見た。
「驚きました。本当でしたんですね。失礼しました。では、依頼は完了と認識させて頂きます」
そう言って俺のカードに依頼の受領と完了を打ち込む。
俺は、カードを返して貰ったので確認して見た。
すると、ランクが何時の間にか、Sランクになっていて、二つ名がついていた。
二つ名はーーーーーー救済の銀天使ーーーーーー何これ・・・・・・・。
俺が思わず受付を見ると、満面の笑顔で受付が言った。
「貴方が今まで行って来た功績からついた二つ名よ。あちこちで、医療活動を行って来てるようね」
俺は眉を寄せていた。横でガドが苦笑している。
「まあ。しょうがねえんじゃね?お前の得意分野なんだしな」
そう言って笑うガドも、自分のカードを見て固まった。
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