鍛冶の街 ドーテリア

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俺はフードを被りながら言った。 「そんなのはどうでも良いんだよ。ああ。緊急時にはローブの色は黒になら変化出来るみたいだぞ?」 そう言って俺は、ローブの色を黒に変化させる。 「へ?どうやったんだ?」 聞いてきたガドに、首元のブローチを指して言った。 「こいつに魔力を流せば流してる間、黒に変化するらしい。量は極微量で良いみたいだな」 「へえ。そんな便利機能が有ったんだ」 俺は溜息をついて言った。 「ローブの魔法陣を解析したら判るだろ。面倒だからって俺に丸投げすんな」 俺の言葉に笑いながらガドは言った。 「ははははは・・・・。悪い悪い。けどさあ、俺よりもユーイの方が魔法陣の扱いには長けてんだし、ユーイも嫌そうだったから、きっと何か考えてくれると思ったんだよな」 笑いながらローブを羽織って同じようにブローチに、魔力を流すガド。 ガドのローブも黒に変わったのを確認してから俺は言った。 「んじゃ。行くぞ。断罪者」 俺の言葉に、ムッとした表情でフードを被るガド。 「判ってるよ。銀天使」 その言葉にちょっとムッとして振り返ると、クスッと笑うガド。 俺は舌打ちをするとそのまま、部屋を後にした。 二人で依頼の入っていた場所まで移動する。 そこは、明らかに大通りからも外れた薄暗い細い道だった。 「此処ってヤバイ感じだな」 俺は周囲を見ながら言った。 「ああ。所謂スラム街ってのか、そう言った場所だってさ。依頼料が、基準ギリギリだったからな。良く、あんな金を用意出来たなって思うんだよな。 それだけ、必死なんだろうとは思うけどさ。それに・・・・・・・・・。 あの依頼書の病気は、依頼人だけじゃなくて周囲で結構猛威を振るってるようでさあ」 俺はすん!っと鼻を鳴らす。 周囲から漂う死臭。犠牲者が相当出てるよな。 俺は懐から小瓶を一つ出すとガドに渡した。 「これ、飲んでおけよ?ちょっと、ヤバイかもしれん」 俺の言葉に顔色を変えて慌てて受け取って栓を開けて一気に飲み干して、滅茶苦茶渋い表情をするガド。 「うっわ!メッチャマズイ」 うえっと言った声を上げるガドから瓶を受け取ってボックスに放り込んだ。 「良い薬程苦いんだよ。諦めろ」 周囲を見回して俺は、足を早める。 「本格的にまずい。これ以上犠牲はヤバイから急ぐぞ」 走り出した俺の後を慌てて追いかけるガド。 俺達は道を走り奥の家に辿り着いた。
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