鍛冶の街 ドーテリア

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そこは、比較的ちゃんとした家の形状をしていた。 直ぐに、俺はドアを叩く。 「ギルドから来ました!開けてください!」 俺の言葉に驚いた様子でドアが開かれた。 「え?ギルドから?依頼?」 小さな子供が顔を覗かせてきた。 俺は直ぐにドアを押し開けて言った。 「入ります!」 そう言いながら、薬を出してガドに渡す。 「その子に飲ませて。兆候が出てるから」 ガドは頷いてちょっと、嫌そうに薬を受け取った。 マズかったのを思い出したんだろうな。クスリっと笑って俺は奥へ向かう。 「え?ちょ、ちょっと待って!」 慌てて俺の足を止めようとした男の子にガドが手をかけて止めさせる。 「待て。お前はこっちな」 そう言って強引に上を向かせて開いてる口に薬を流し込んでた。 少し咽せてはいたものの、ちゃんと飲んだ事を確認してから俺は奥のドアを開ける。 奥はベッドの上に女性が寝てる。 そして、その横の床に入り口に来た少年よりも少し大きな男の子が、ベッドに寄りかかる感じで床に座り込んでる。 俺は、その子に近寄って頭に手を乗せる。 すぐさま俺の手に白い精霊達が集合して行く。 それと同時に、手を触れた少年の身体は光に包まれる。 魔法ってのは凄いよな。普通なら時間も手間もかかる治療が魔法一つで大きく回復出来るんだからな。 まあ、魔力や知識は必要だけどな。 呻いて目を開けた少年に俺は小瓶を渡す。 「飲め」 少年は呆然とした表情でそれを受け取って俺を見上げてる。 「ギルドの依頼を受けて来たんだ。大丈夫。毒じゃねえよ。飲め」 そう言って少年の目を見つめながら全身の様子を確認する。 うん。大丈夫だな。こいつは、まだ放出が始まったばかりだったから、回復も早い。 後は・・・・・・・・・・・・・。こいつらの母親か? 少年が考えるようにしてから、瓶の蓋を開けて意を決したように必死の表情で薬を飲んで凄く嫌そうな顔をしていた。 うん。すっげえ苦いもんな。これ。でも、甘くはしません。効果が下がるからね。 俺は少年が飲んだ瓶を回収してボックスに投げ込むとベッドに寝ている母親の方に近寄る。 「あ!か、母さん!」 慌てて立ち上がって俺のそばに来ようとする少年を俺は止めた。 「待て。お前は、治療したばかりだ。安定するまで大人しくしてろ」 俺はそう言って、ベッドのボロボロの布団を引き剥がす。
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