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間違いなくな。俺は溜息をついてから、背中から龍の翼を出して空に舞い上がる。
そして、ドラゴの気配を辿って転移した。
着いた瞬間に、ドラゴが嬉しそうに擦り寄ってきた。
「おっと。ただいま」
俺はそう言って頭を撫でてやった。
凄く嬉しそうに尻尾をブンブンと振ってるドラゴは、何だか可愛かった。
少し撫でてから俺は、馬車の方に移動して中に入って止まった。
そこにはクッションに沈んで、眠り込んでるガドが居た。
「え?何で?」
すると、精霊達が言った。
『えへへへ。私達の事を、ガド君に話したじゃない?で、王様になれ!何て言ったでしょ?』
『だから、時間ちょっと弄った空間で、沢山の教育をしちゃった』
『だからあ。疲れて眠っちゃってると思うわよ』
俺は精霊達の言葉に大きな溜息をついた。
何やってんだかなあ。もう。
俺は、毛布を上から掛けて自分も別のクッションに横になった。
そして、そのまま睡魔に身を任せる。
疲れて眠り込んだガドが、目を覚ましたのは翌日になってからで、俺はガドに怒られた。
無茶をするなってさ。
でも、俺は良い情報を得られたし、結果的には良かったと思ってる。
俺は、ガドに神龍の事も話をした。
ガドは渋い表情で言った。
「それは、まだ置いておくしかないだろ。本物の神龍が姿を現さない限り誰も、それが偽物だとは思わない。それとも、お前が神龍だとでも名乗り出るのか?」
ガドの言葉に俺は首を振った。
「そんな気は無い。今の俺の姿よりは彼奴の方が神龍らしいからな。残念だがな」
俺の言葉に精霊達が言った。
『坊やが大人になれば大丈夫よ。もう、誰も坊やが偽物なんて言わないわ』
その言葉に確信した。
俺が、本当に神龍なんだと。今の言葉は俺にだけ聞こえたようだ。
どうやら精霊達は、俺以外には俺の正体ははっきり言うつもりはないようだ。
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