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まあ、薄々はガドも俺が神龍じゃないかと思ってるようだがな。
聞いては来ないしこっちも答える気は無いけど。
それから、俺は攫われてからの事を説明した。
ガドは、眉を寄せると言った。
「龍神教だっけ?ほんっと胡散臭いな。だが、本当に噂で聞いたように、神龍としての存在がくっついてんだったら、面倒だよな。教団の力って強くなりそうだもんなあ」
凄く嫌そうに顔を顰めて、溜息交じりに言うガドの言葉に俺も同意する。
「そうだな。今後、王都に着くまでの間に絡んで来なきゃ良いんだがなあ」
はあ・・・・・・・・・っと、溜息を着いてから、俺は耳や尻尾を動かす。
「あいつは、人間以外は認めないって感じで言ってたし、実際、クラーケンに獣人の俺が捕まってても無視して攻撃したしな。
人間以外は家畜かペットみたいな扱いだったぞ。ひでえもんだ」
俺がそう言うと顔を曇らせるガド。
「なら、今後は一層の注意をして移動しないといけないって事だよな。絡んでくる人間が増えるって事だしな」
「そうだな。俺が、もう少し大きな大人なら良かったんだろうけどなあ」
俺がそう言った瞬間、俺の身体は光に包まれる。
「え?は?なんだ?」
俺は、全身が熱くなるのを感じて思わず目を閉じる。
少しして治まったので目を開けてガドを見ると、目をまん丸に開いて口を開けてた。
「え?どうしたんだ?ガド?」
そう言って少し動いて違和感を感じて自分の姿を見て愕然とした。
「は?何だ?これ!」
俺の姿は10歳位の子供だった筈なのに、今はいきなり15~16歳くらいに成長してる。
あどけなさは何処か残ってるもの大きさは大人に近い。
髪が長くなって腰まで伸びてる。
銀色の長い髪がすごく綺麗で、煌めいてる。
急に大きくなったので、服が破れて身体に纏わり付いている。
全体に細いが引き締まった良い身体をしてるのが自分でも判る。
困惑してると、精霊達が俺に纏わり付き出した。
すると、ボロボロになった服が光を放ち、見る間に俺に合わせて服が変化をしてあっという間にちゃんと服を着た状態になった。
「な、どうなってんだ?ユーイ」
掠れたような声で言ったガドに、俺は頬を掻きながら言った。
「うん。成長したようだな。たぶんだが、完全じゃないまでも充分な魔力を蓄えて来始めたって事だと思う。確証は無いけどな」
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