Episode 1

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『太陽の畑に近づくな。』 今日も晴れ、私の向日葵達も嬉しそうに 太陽の光を浴びている。 いつも通りの出来事。 しかし、今日は少し違った。 人間が私の太陽の畑に入ってきたのだ。 私は近くに行って警告した。 しかし、人間は言う事を聞かなかった。 殺してやろうと思い、 人間の胸倉をつかみ引っ張りあげた。 すると人間は金魚みたいに口をパクパク させながら必死に手を使って何かを 伝えようとしていた。 気持ち悪かったので殺さずに、 人間をそのまま畑の外へ投げ捨て、 こう言ってやった。 「次また来ると殺す。」 『いい加減にしろ。』 人間を追い払ってから3日後、 また同じ人間が私の畑に入って来た。 よほど死にたいらしい。 近くに行って傘で殴ろうとすると、 人間は私の存在に気づき、 また手を使って何かを伝えようとした。 意味がわからない。この人間は頭が どうかしてるんじゃないか? そう思ってたら、人間は紙を取り出し、 文字を書いて私に見せた。 「ごめんね、僕耳が聞こえないんだ。」 『だからどうした。』 耳が聞こえなかったからといって、 私が許すハズもない。 だが、少しは免除してやる事にした。 殺しはしないが、痛めつける事にした。 耳が聞こえない人間の腹や肩、 顔や背中など色々な場所を痛めつけた。 頭から血を流し、口から血を吐き、 体の至る所の骨は折れただろう。 これでこりて二度と来ないだろうと 私は思った。 『しつこい。』 人間を痛めつけて数ヶ月、 人間は姿を見せなくなった。 実に清々しい気分だ。 私はいつも通りに畑を散歩する。 すると。 「やぁ、こんにちは。今日もいい天気だね。」 と書いた紙を持って車椅子に座っている 人間を見つけた。 覚えてる。コイツは人間の分際で、 私の畑に2回も入って来た人間だ。 忘れるハズが無い。 そして私は紙に字を書いて、 人間にこう聞いた。 「何故此処に来るのかしら?死にたいの?」 と。 すると人間は首を横に振った。 イライラしたので、 また痛めつけてやった。 続く
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