Episode 2

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『ありえないわね。』 あれから毎日、人間は私の畑に 来るようになった。 鬱陶しい。しかも腹立たしい事に、 あの人間は毎日笑顔で私を迎える。 まるで私を待ってたかのように。 そして私は、紙に書いて聞いてやった。 「私に痛めつけられて、怖くないの?二度と来たくないとは思わないの?それとも、痛めつけられるのが嬉しいのかしら。」 と。 返事は早かった。 人間は首を横に振るよりも先に、 紙に字を書いて私にこう伝えた。 「凄く怖いよ。でも、こうやって話してくれてるから、痛さに比べたらどうってことは無いよ。」 と。 馬鹿ねこの人間は。 そのうち私に、 殺されるかもしれないのに。 私は紙に「私は今すぐにでも、貴方を殺そうと思えば殺せるのよ?」と書いて人間に見せた。 すると人間は。 「殺せはしないさ、だって貴女は優しい人だから。」 と、私に笑顔で書いた紙を見せた。 私が優しい?私がこんな人間に対して? ありえない。 私は予想外の返事を見て混乱し、 その人間が居る所を走り去った。 『そんな事しないで。』 また、人間はいつもの場所に居た。 今日の私はとても機嫌が悪い。 そんな事も知らず、 人間はいつも通りの笑顔を見せる。 腹立たしい。 そして人間は私の顔を見るや否や、 「今日、機嫌が悪いの?」 と、紙に書いて私の図星を突いてきた。 人間のクセに。 私は「そうよ、だから手が滑って貴方を今にも殺しそうだわ。」と、書いて人間に見せた。 そして昨日と同様で人間は、 殺せはしない、貴女は優しい人だから。 と、書いて私に見せる。 私の何が分かる。たがが人間が。 苛立ちもピークに達してきた。 本当に殺してやろうかと思った瞬間、 人間は車椅子から立ち、 私に近づいてきた。 その足取りはとても危なっかしくて、 見ていられない。 まぁ私がやったんだが。 何をするかと警戒していたら、 人間は私の隣に座りこんだ。 そして人間の彼は、 そっと、私の頭を優しく撫でた。 続く
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