真曾 明

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真曾 明(マゾ アキラ)は漫画家を目指す為に、近くの工業高校のデザイン科に進学することにした。 「明君と別々の高校になっちゃうね」 クラスメイトのマドンナ、錦濃 愛華(ニシキコイ アイカ)と桜の蕾が三分咲きになった校門前を歩く。 「またきっと会えるさ」 「明君」 「10年後には人気漫画家になって君を迎えにいくよ」 二人は見つめ合う。涼しく生温かい風が名も知らぬ花の香りを運ぶ。 まだお互い、愛の言葉を口に出して伝えぬとも、分かり合えるウブな二人の恋。 この先、二人の恋に待ち受ける残酷な運命をまだ知る由もなかった。
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