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日の明かりがさしこむ囲まれた空間。
それは、お世辞にも部屋とは言える代物ではなかった。
壁は適当な大きさの板を適当に張り付けただけ。
ベットは、なく、ザラ紙でできたような薄っぺらい布だけ。
トイレはバケツ。
鳥の方がまだ良い暮らしをしていると断言できる。それほどにこの部屋になろうとして慣れなかった物は酷かった。
だが、その部屋になれなかった者にすむものがいる。むしではなく、大きな大きな。
「腰が、いたい....」
人だ。
「僕、何でいるんだっけ?それにしても。この部屋...」
起きたばかりの頭では記憶などぼんやりとして思い出せない。わかることは、目の前に広がる光景だけ。
「とりあえず。みず...」
部屋としての機能のないので、口はカラカラで、唇もサバンナのようにカサカサカラカラだった。応急処置にペロペロとなめるがただ、乾燥をひどくさせるだけだった。
大きな人は、夜を徘徊するゾンビのように水を求めそとにでた。
さしこむ日の明かりだけのへやでは、その人の顔を確認することはできなかったが、外にでいま、わかる。
大きな人、その男の顔は枯れた声とは似てもにつかぬ、どちらかというとふくよかな声の似合う、幼い顔立ちをしていた。
その顔は壁に大雑把に貼られた指名手配主の顔とそっくりであった。
指名手配主の名前は
ディディー・ヘンペルド。
裏切りの大魔法使いだ。
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