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だから、残念ながら月村が期待しているような答えは持ち合わせていない。
彼女をつくる暇もなかったんだから、当然彼氏なんてのもいる訳ない。
まぁそもそも男相手にときめいたことも性的欲求を抱いたこともないので、自分は普通にノーマルなのだと思っている。
……あれ、この発言ってもしかしてフラグ?
なんて考えに耽っていたらなんだか突き刺さる視線……。
なんだなんだ、と顔を上げてみると何故かみんなしてこちらを凝視していた。
「え、な、なんだ!?」
「あーいや、そういえばりいとのそういう話とか聞いたことないなぁ、って……」
竜胆はジーとこちらを見つめたまま何とはなしに、といった感じで言う。
どうやら単純に好奇心で気になっている、というだけのようだ。
「ほらーみんな気になってるんだって〜!」
茶化すように言う月村だが、その後に萌えるわ〜とかなんとかいつもの如く呟いていた。
こいつ、腐男子っての隠す気ないだろほんと。
しかしそう言われてもな。
ここは王道転校生としてはなんて答えるのが正解なんだ……?
普通に、彼女なんかいたことねーよ!て純情アピールした方がいいのだろうか。いや彼女いたことないのは事実だけど。
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