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「皆、落ち着きなさい。彼が驚いてしまっているではないか。」
「す、すみません風紀委員長!!」
風紀委員長が一声かけただけで、俺に群がっていた風紀委員の人達がピタリと動きを止め、声を揃えて返事をした。
めちゃくちゃ訓練されてる……。
「かん……いや、ジャスティスピンク。
少し話したいことがある。こちらに来てくれないか?」
風紀委員長に手招きされ、風紀委員室の奥まったところにある一室へと案内される。
その間に、聞き覚えのある声が他の風紀委員達に補足していた。
「みんな、悪いんだけど俺と風紀委員長はジャスティスピンクと話があるから……ジャスティスピンクの紹介はその後でね!」
この声は——……
「やあ神崎君、昨日ぶりだね」
背後から肩をトントンと叩かれて振り向けば、隠れマッチョの権化、田崎君がそこに居た。
「ごめんね、色々と……びっくりしたでしょ?」
少し罰の悪そうな表情で田崎君が言うものだから、思わず咄嗟に「全然大丈夫です!」と即答してしまう。
それに田崎君が苦笑して、「気を遣わせてしまったかな……」と言いながら椅子に座るよう促してくれた。
「ここにいる風紀委員の人達はみんな、風紀委員長を尊敬しているんだ。
そう言う俺も、例外じゃないんだけどね。」
俺が座ったのを見計らって、田崎君が話を切り出した。
なるほど。
風紀委員の人達はみんな風紀委員長に憧れて崇拝しているからこそ、ジャスティスマンのお面を付けている俺に対してあの熱量だったのか……。
……え、待って?これ俺が風紀委員長に嫌われたら、他の風紀委員の人達に嫌われるどころじゃなくね……?
これは、死をも覚悟することになるかもしれない……、と密かにまだ起こりもしていない身の危険を感じた。
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