王道転校生と鬼ごっことその後日

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「実はあのジャスティスマンのお面は、風紀委員の中でも限られた人達にしか渡されていないんだ。 だからジャスティスピンクのお面を付けた神崎君の事が、みんな気になるんだと思う。」 「えっ……このお面って、みんな持ってるわけじゃないんですか……?」 てっきり、風紀委員に入ってる人にはもれなく皆に配られる、みたいなものかと思っていたんだが。 そんな特別な物なの?このお面……。 そうとは知らず、わりと軽々しく扱ってたけど……そんなところを風紀委員の誰かにでも見られていたら、それこそ本当に嬲り殺しにでもされそうだ。 ……これからは扱いには気を付けよう。 俺が密かに心の内でそう誓った事など露程も知らない田崎君は、コクリと頷くと話を続ける。 「厳密に言うと、色付きの(・・・・)お面が特別なんだけどね。 神崎君のピンク、風紀委員長の赤、そして俺の青。まだ他の色もあるけど、今色付きのお面を持ってるのはこのメンバーだけなんだ。」 「……え、えっ!?」 3人しかいないの!?何その特別感、怖い……!! 本来の王道展開にはない事例だし、こういう場合はどうすれば正解なの!? てか俺、風紀委員ですらないけどいいのかそれは。どうなんだい田崎君や。 チラリと田崎君に視線を向けて、そろそろと伺いを立てるように小さく挙手してから俺は発言する。 「あの……俺なんかがそんな大事なお面を頂いちゃってもいいんでしょうか……?」 「俺は風紀委員ですらないし……」と続けて言えば、俺の両肩をガシリと掴んだ風紀委員長が、真剣な表情で俺に視線を返してきた。
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