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荒野にいる一体のデカブツは、茶色のパレットに赤い絵の具を撒き散らす
2度目のアイツを見ても、体の震えは収まらない
「これだ、これ、これを………こんなことを待ってたんだ」
ボソリと誰にも聞かせるつもりのない言葉を吐きだす
きっと顔は歪んでいて、こんな顔他人が見たら、ただでさえ優しい顔じゃない俺の眼前は自然と道が開くだろう
訳の分からないところに来てしまったが、こんなことが起きるのならこれまであったイライラはあっという間に飛んでいく
「アイツと戦えばまたあのスリルが…」
鎧の片足が動き出す、片足がついたら、もう片方が動き出す。力を込めれば、普段なら聞こえないような風をきる音が耳からなだれ込んで来る
いつもの俺なら全力で駆けても40秒は掛かるのではという場所に10秒ほどで辿り着く
デカブツが別の鎧を纏った凡人を、叩き潰そうしている。上げられた拳を下げようとしている。
おいおい…そんな雑魚なんか相手するなよ、遊ぶならここにいるだろう?お前も俺も互いに満足できるだろう?
ほら、そんなやつより
「そんな雑魚よりさ…俺と遊ばないか?」
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