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「先生、北の洞穴の調査担当者はいつ来るんですか?」
青年ティルが尋ねた
北の洞穴は古くから"得体の知れないもの"が住み着いているとされている場所だ
故に里の掟で立ち入りが禁止されている
だが最近洞穴の奥から聞こえる唸り声に疑念を持った2人は掟に反して調査を目論んでいた
「あの人次第かな
恐らく興味は持つだろうから明日にでも来るだろう」
教師は答えた
その表情にはかつてその人物に翻弄されたであろう過去が見え隠れした
「でも先生本当にその人で大丈夫なんですか?
危険な調査に1人で……」
「大丈夫だ、問題ないさ」
ティルの不安そうな問いに教師は一言言って口を閉ざした
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