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…クルシイ…。
どれくらい時間が経ったのだろうか?息苦しさに重い瞼を開けた。
辺りを見回したが見たことのない風景だ。
そこは、荒れ木が突き出し、地面はカラカラの土、空が赤黒く燃えていた。
濃い霧から人影が見え、緊張が走る。
「……起きたか………」
全身にグレイの絹をマントのように羽織る男が立っていた。
いや、宙に浮かんでいたと言う方が適切であろうか。
「!?」
「緋螺(アカラ)へようこそ」
浮かんでいた体を地へと着地し片膝を折り優雅な動きで118に跪いた。
(……な、何だ?)
あたふたしている118には気に止めず話を進める男。
「我が名はキアラと言う。好きに呼べ」
「そんな事より、此処は何処?」
「先程言っただろう。緋螺だ」
不満げに言うキアラは、立ち上がり調度良い高さの石に腰掛け此処を向いた。
「緋螺って?」
「はぁ…。初めから話さぬといけないのか」
「(あれ!?何か可笑しな事言った?)」
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